会 期
12月7日(水曜)~18日(日曜)
会期中無休
午前10時~午後5時(金曜日は午後7時まで)
会 場
船橋市民ギャラリー
〒273-0005 船橋市本町2-1-1 船橋スクエア21ビル3階
電話:047-420-2111
https://www.f-bunspo.or.jp/gallery/
入場料
無料
主 催
船橋市教育委員会文化課/公益財団法人船橋市文化・スポーツ公社
後 援
船橋市
助 成
芸術文化振興基金
協 力
株式会社ハプコ/船橋市立船橋小学校
今年度の船橋市所蔵作品展は、時をめぐる3つの展覧会で構成しています。
第1部〈磯田長秋―船橋で時を描いた日本画家―〉では、船橋ゆかりの日本画家・磯田長秋(1880-1947)の画業を紹介します。過去の物語を主題とした作品からは、彼の生きた時代が見えてきます。第2部では、現代美術家・笠木絵津子のシリーズ作品『私の知らない母』を展示。過去と現在の写真をコラージュして制作された「時空写真」は、時間・空間を超えたイメージとして表現されています。そして、第3部にて、笠木絵津子が講師を務めたアート体験プロジェクトで船橋市立船橋小学校の6年生が制作した「大時空写真」を発表します。本展覧会が、皆様にとって、過去に想いを馳せ、現在を見つめ、未来について考える機会となれば幸いです。
日本画家・磯田長秋(1880-1947)は歴史的な出来事、人物を主題として扱う「歴史画」を得意としました。精緻な筆致で描かれた作品からは、戦いに挑む武将の張り詰めた空気や古典世界に広がる雅な雰囲気を感じることができます。
長秋は若き日に安田靫彦(1884-1978)らと活動を共にしながら研鑽を積み、1928(昭和3)年には、明治天皇・昭憲皇太后の一代記を表した明治神宮外苑聖徳記念絵画館壁画の制作事業に参加し、地方官会議臨御(1928年)を描きました。
また、1922(大正11)年、船橋町九日市(現・船橋市本町)に移り住み、割烹旅館「玉川」や意富比神社(船橋大神宮)に作品を納めるなど、地域にも足跡を残しています。
本展覧会は、現存する作品・資料を手がかりに、歴史に埋もれていた磯田長秋の画業を再発見・再評価し、彼が生きた時代を見つめなおす試みです。
笠木絵津子は、昔や現在の写真をコラージュし、一つの平面に時間・空間を超えたイメージを表現した作品を「時空写真」と呼び、制作を行っています。本展覧会では、代表作『私の知らない母』を等身大の大型プリントで展示します。
『私の知らない母』は、戦前の東アジアに生きた母の軌跡をたどり、文献調査やインタビュー、生活していた場所に赴き撮影することで、作家の脳内に広がった世界を、過去の母と現在の作家自身を重ね合わせながら表現したシリーズ作品です。本作の鑑賞は、モノクロ写真による母の時間と、カラー写真による作家の時間という「ふたつの時間を持つ写真」の中を、二人とともに渡り歩くような体験となるでしょう。
また、笠木は船橋市立船橋小学校にてアート体験プロジェクトの講師として携わり、児童たちと地域の「時空写真」を制作しました。会場では、皆様も一緒に「時空の旅」をお楽しみください。
2022(令和4)年、船橋市立船橋小学校は創立150周年を迎えました。これを記念し、アートを通じて船橋小学校と地域の150年の歴史を振り返る試みとして、現代美術家・笠木絵津子を講師に招き、6年生が「時空写真」を制作しました。まず、児童たちが笠木の作品を対話しながら鑑賞したのち、一人一人、自分や家族の過去と現在の写真を組み合わせたコラージュ作品を制作。さらに、皆の作品を集め、つなぎ合わせることで、地域の過去と現在、そして未来につながる「大時空写真」を作り上げました。児童たちの作品は、私たちを懐かしく、みずみずしい時空世界にいざないます。
*すべてのイベントは参加費無料、要事前申し込み(定員30名、先着順) 11月15日(火曜)から船橋市民ギャラリー窓口またはお電話にてお申し込みください。
船橋市の学芸員が、今年度取り組んだ磯田長秋に関する調査成果を紹介します。展示作品の背景について、一緒に考えてみませんか?
日 時:12月9日(金曜)午後2時から午後3時
講 師:益子実華(船橋市教育委員会文化課学芸員)、小田真裕(船橋市教育委員会郷土資料館学芸員)
会 場:船橋市民ギャラリー
磯田長秋の作品の中に描かれた装束の着付けを実際に”着て・見る”体験ができる講座です。装束を前に写生をし、絵画制作した大正昭和初期の画家たちの様子を思い浮かべながら、磯田長秋の歴史画を立体的に見ていきましょう。
日 時:12月10日(土曜)午後2時から午後4時
講 師:田中潤(学習院大学史料館研究員)
会 場:船橋市民ギャラリー
地域における美術活動の在り方について考える「美術フォーラム」。今回は船橋小学校で実施したアートプロジェクトを通して、アーティストが学校教育で果たした役割を考えます。コメンテーターとしてアーティストと学校をつなぐ活動を長年行って来た秋田美緒氏を迎えます。
日 時:12月11日(日曜)午後2時から午後4時
講 師:秋田美緒(国立西洋美術館学芸課研究員/元・川口市立 アートギャラリー・アトリア学芸員)、
山本雅美(船橋市民ギャラリーアドバイザー、茂木本家美術館学芸員)
会 場:船橋市民ギャラリー
本展覧会をより楽しんで頂けるよう美術担当学芸員が作品の紹介を交えながら展覧会を案内します。
日 時:12月16日(金曜)午後2時から午後3時
会 場:船橋市民ギャラリー
歴史学者の加藤聖文氏をゲストに招き、対談形式でアーティストトークを行います。
日 時:12月17日(土曜)午後2時から午後4時
講 師:笠木絵津子(現代美術家/写真家)、加藤聖文(歴史学者)
会 場:船橋市民ギャラリー